生成AIが起こす産業革命と知的労働者のサバイバル術

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「生成AI」と呼ばれる、画像生成やテキスト生成(対話型AI等)などのサービスが本格始動した2023年。

産業革命時の労働者のごとく、クリエイティブ・知的生産を行う職種にとっては突如現れた危機的状況と言えます。

最新の生成AIは何ができるのか?その中で我々のような知的生産労働者は如何に生き抜いていくのか?を考えます。

生成AIによるクリエイター、プログラマー、デザイナーの代替は既に現実に。

私はプログラミングとコンサルティングによって生計を立ててきました。まさに生成AIが得意とするど真ン中です。そういった状況下、業務として様々なシステムを構築する作業で私自身も対話型AI「ChatGPT」をフル活用しています。

以下はサービス専用のチャットボットをWebページ右下に設置した様子ですが、チャットを行うUI(ユーザー・インターフェース。入力や表示を行う箇所)の構築からバックエンドのプログラムまでほとんど全てをChatGPTで制作しました。

これを構築する感触からして、少なくともそれなりのWebサイトの構築(HTML/CSS)やパーツごとのプログラム作成程度のタスクであれば、すでに実用レベルに達しています。もはや、実務経験が浅く作業ベースで請け負ってきたWebデザイナーやプログラマーは、リアルタイムでAIに仕事を奪われているといっても言い過ぎではないでしょう。

その他、弁護士等の士業、コンサル、コンテンツ制作なども他人事ではない

法務調査をAIで行うといった部分的な代替の話は数年前からありましたが、今回の衝撃は以前のものを遥かに上回ります。弁護士など士業系やコンサルタント等、高度な専門知識を要する職業自体の代替も、もう数年先まで迫っている可能性があります。

こういった職業は「知識」と「判断」が主なキャッシュポイントです。コンピュータはこれまで得意であった「知識ね勝負に加えて、「判断」まで始めてしまいました。明らかに潮流の変わり目と言えるでしょう。

また、コンテンツ制作分野でも、現時点では画像生成がせいぜいですが、まもなく動画、しかもエンタメ要素等のニーズを満たすコンテンツを生成するAIが登場する可能性も十分考えられます。決して他人事とは言えない分野です。

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生成AIショックは令和の産業革命。資本家はハッピー、労働者は危機的状況。

18世紀後半における産業革命は、生産装置の爆発的技術革新。それまで労働者を使い生産していた資本家が、我先に蒸気機関を用いた生産装置に代替しました。

資本家にとっては、それまでいた労働者が、マネジメントも不要でストも起こさず安価な機械装置に置き換わり、大量生産も可能となり超ハッピーです。時代の波に乗り大幅に資産を増やした資本家も多かったでしょう。

他方、困ったのは労働者です。それまで単純作業に従事していても日銭を稼げたのに、状況が一変。職を失い、更にそれまでに身につけた技能もまるで役立たずとなってしまいました。

この構図、まさに現代に生成AIによって起きている状況と全く同じです。言われた通りにプログラムを作る、デザインを作るといった技能はもはや生成AIに置き換わる寸前と言えます。

ぼやぼやしていては、これまでホワイトカラーとして自身の技能で食い扶持を得ていた技能者も一夜に路頭に迷う運命を辿ってしまいます。

個人・小規模事業者が大手企業を「めくる」時代となる

日本においては労働者の権利が強く、対話型AIに置き換え可能だからといっておいそれと従業員数を削減することはできません。

今まで人を集めて大きな仕事をしてきた大企業ですが、これからの時代はAIを有効活用して少人数で大きな仕事ができる時代が到来します。

個人・小規模事業者にとってこれほどチャンスに満ちた時代はまたとないかもしれないですし、逆に大手企業は技術進歩にしっかりアンテナを張り人事戦略を検討する必要があるといえます。

作業者は職を失う。ビジネスマンは職を得る。

プログラミングやデザイン、コンサルティングや独占業務といった個々の仕事の先にはビジネス、すなわち価値を生み出した結果により売上を回収するゴールが存在します。

ビジネスマンはいかにゴールするか?というビジネス全体を考える人物であり、作業労働者はソレを手伝うパーツとしての役割を担っています。

今回生成AIの登場により、個々のパーツ作業の置き換えは既に現実のものとなっています。しかし、ビジネス全体を見据える仕事は、正に人間にしかできない仕事と言えるでしょう。

更にそういったビジネスマンは、生成AIを自己のビジネスに効果的に投下し、安価で高品質なパーツを圧倒的短納期で得ます。仕事を奪われる作業者とは裏腹に更にビジネスを加速させ、多くの仕事を得ていくことでしょう。

私たち知的生産に従事するワーカーが、AIに仕事を奪われるか?逆に仕事を得るのか?の分かれ目は、このように自己の技能を用いてビジネスをキチンと回すことまで到達することが肝要、といえます。

AIを敵視するのではなく、むしろ味方として歓迎できるよう、更に精進していきましょう。お目通しありがとうございました。

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